くさかんむりに孤と書く「菰」は何と読みどのような意味があるのでしょうか。
今回は、「菰」の読み方と意味について解説します。
くさかんむりに孤で「菰」の読み方
「菰」の読み方は音読みでは「コ」「ク」、訓読みでは「こも」「まこも」です。
「菰」の意味や解説
「菰」とは、「イネ科の多年草」もしくは「イネ科の多年草を編んで作るむしろ」を指す言葉です。
沼地や湿地帯など水辺に群生するイネ科の多年草「マコモ」を表します。
高さ約2メートルで細長い葉を持つマコモは乾燥させてから編み上げてむしろを作る材料として用いられることからマコモを編んで作ったむしろを「菰」と呼びます。
本来はマコモを使って作られたむしろのみを指す言葉でしたが、現在は材料を特に限定せず稲藁など別の材料で作られたむしろの呼び方も「菰」です。
マコモで作ったむしろは目が荒くあまり上等なものではありません。
丈夫で安価なことから落下防止のため荷車の荷台の上にかけたり冬場に樹木に巻きつけたりなど実用品として使われます。
かつては貧しい人が身を隠すようにかぶって使っていたことから他人に対して金銭を恵むよう求めて回る「物乞い」を指す意味でも使われます。
「菰」の熟語での使い方や使われ方
・『菰巻』【こもまき】
「冬の備えとして樹木にむしろを巻きつけること」を指します。
寒さ対策として暖かくなるようむしろを巻きつけていると勘違いしている人が多いのですが防寒のために巻いているのではありません。
むしろをまくのは冬を越すため樹木を降りて地面に移動しようとする害虫をむしろの中に止めるためです。
暖かいむしろで止まった害虫は地面に降りることなくむしろと一緒に外されて焼却処分されます。
・『菰樽』【こもだる】
「菰で編んだ縄をかけた酒樽」のことです。
本来は船で酒樽を運ぶ際に揺れでぶつかり破損するのを防ぐ実用目的でしたが次第に見た目にも工夫が凝らされるようになり見栄えの良い酒樽へと変化します。
現在は鏡開きに使うような立派な酒樽を指す言葉として使われています。
まとめ
「菰」は植物の種類を表すほか植物から作られた製品を指す意味でも使います。
さまざまな場面で使う言葉なので正しい意味と読み方を理解しておきましょう。