この記事では、「渭」の読み方を分かりやすく説明していきます。
さんずいに胃で「渭」の読み方
「渭」という漢字は音読みでは「イ」と読み、訓読みでの用法はありません。
「渭」の意味や解説
「渭」には「中国の川の名称」という意味が含まれています。
「渭」は流れる水の象形である「さんずい」に切った肉と胃袋の中に入った食べ物の象形である「胃」を組み合わせ、形声文字として成り立った漢字です。
「渭」の熟語での使い方や使われ方
・『涇渭』【けいい】
「涇水と渭水」を意味する言葉です。
涇水と渭水も中国陝西省を流れている川のことであり、渭水は常に澄んでいるのに対し、涇水は常に濁っています。
対照的である2つの川の合流地点は清濁や善悪の区別が明らかなことの例えとして用いられています。
・『渭水』【いすい】
黄河の支流の1つである川の名称です。
渭水は古代中国の時代より、数多くの都が築かれ、この場所にまつわる歴史的なエピソードも数多く残っています。
有名なものでは、殷王朝末期、渭水で釣りをしていた太公望(呂尚)と周王朝君主の文王が出会ったという伝承が伝わっています。
「渭」の地名での使われ方
・『宇佐町渭浜』【うさちょういはま】
高知県渭浜に所在する地名です。
「渭」の名前での使われ方
・『渭川』【いかわ/いがわ】
福岡県や愛知県、大阪府、岡山県に多く見られる日本の名字です。
・『渭東』【いとう】
大阪府や兵庫県、京都府に多く見られる日本の名字です。
・『渭原』【いはら】
静岡県や神奈川県、茨城県、愛知県、東京都に多く見られる日本の名字です。
まとめ
「渭」は音読みで「イ」と読む漢字でした。
「渭」には「中国の川の名称」という意味が含まれており、日本では主に地名や名字として用いられている例が多いようです。