この記事では、「姥」の読み方を分かりやすく説明していきます。
女へんに老で「姥」の読み方
女へんに老と書く漢字「姥」の読み方は、【うば】です。
「姥」の意味や解説
「姥」の主な意味は、「年をとった女性」です。
老女や老婆を指して「姥」と呼びます。
漢字のなりたちも、女性が老いた様子を、女へんと「老」という文字を組み合わせて表現した、というものです。
もともとは、「母親に変わって子供を世話する役目の女性」という意味もありましたが、時代が進むにつれ、そちらの意味は「乳母」【うば】という表記に分離しました。
現在では「姥」は老いた女性にのみ用いられる表記です。
また、伝統芸能の能に用いるお面には、必ず老婆の顔をしたものがあります。
能の業界で「姥」といえば、老婆のお面を指します。
「姥」の熟語での使い方や使われ方
・『姥捨て山』【うばすてやま】
伝説の一つ。
年老いた母親を、食いぶちを減らすために、生きたまま山に捨ててしまう物語。
作家の深沢七郎が執筆した小説『楢山節考』や、岩手県遠野市に伝わる「デンデラ野」の伝承が有名です。
・『姥桜』【うばざくら】
ヒガンザクラの一種で、葉っぱがない桜です。
葉がない=「歯がない」という洒落からネーミングされたと言われています。
ヒガンザクラ自体は美しい花ですので、意味を転じて、女盛りの年頃を過ぎても、美しさが残っている女性を差す言葉としても使われます。
・『姥が餅』【うばがもち】
滋賀県の草津市の特産品です。
あんころ餅の上に、白あんと山芋の練りきりを載せて、乳房に似せています。
曾孫を育てるお金を作るため、乳母が街道の茶屋であんころ餅を作って売ったのが評判になり、姥が餅と呼ばれるようになったという由来があります。
まとめ
「姥」という漢字は【うば】と読みます。
年老いた女性、老婆を表す言葉です。
もともとは子供の世話をする女性という意味もありましたが、やがて世話をする女性は「乳母」と表記し、区別されるようになりました。
代表的な熟語に「姥捨て山」「姥桜」などがあります。