竹冠に數と書く「籔」は何と読みどのような意味を持つのでしょうか。
今回は、「籔」の読み方と意味について解説します。
竹冠に數で「籔」の読み方
「籔」の読み方は音読みでは「ソウ」「ス」「シュ」、訓読みでは「こめあげざる」です。
「籔」の意味や解説
「籔」とは、「米をとぐ時に使う竹製のざる」「竹や草が密集して生い茂る場所」を意味する言葉です。
こめを炊く時には火にかける前に水でよく洗い米の周りについた汚れや余分な糠を流す「とぐ」という作業で米をきれいにします。
水でといだ後の米はそのまま水につけたままにしておくと水に溶け出したぬかの匂いを米が吸収してしまうため米をといだ後は水から引きあげないと美味しいご飯が炊けません。
といだ後の米を水からあげるのに使う専用の竹製ざるを「米揚げざる」といい、米揚げざるを意味する言葉が「籔」です。
「籔」は元々「竹が複雑に入り組んでかたまりになっている様子」を表す言葉で竹を複雑に組み合わせて作られていることから米揚げざるの意味で使われています。
米揚げざるの他に「竹が複雑に入り組んでいる茂み」の意味もありますが茂みを表すのに一般的に使われるのは草冠に數と書く「藪」です。
「籔」と「藪」はどちらも植物が生い茂って見通しが悪くなっているかたまりを指す言葉で竹が生えてできた茂みは「籔」、竹以外の草木でできた茂みは「藪」という違いがあります。
2つの茂みを厳密に区別することは少なくほぼ「藪」を使います。
「籔」の熟語での使い方や使われ方
・『といだ米を籔に揚げる』
・『職人が手作りした籔』
・『籔でしっかり水を切っておく』
まとめ
「籔」は米とぎ用の竹製ざるですが現代ではプラスチック製の水切りボウルなど他のものを使って米をとぐ人が多く、専用の米揚げざるを使うのは料理屋などごく一部です。
使う機会が少ない言葉ですが「藪」と間違えやすいので正しい読み方と意味を知っておきましょう。