虫へんに當で「蟷」の読み方とは?簡単に解釈

「蟷」の読み方とは? 読み方

皆さんは「蟷」の漢字を目にした事はあるでしょうか。

パッと見、見慣れない漢字かと思われます。

まず、虫へんの隣の「當」が常用でないので、読み方を想像しにくいでしょう。

この記事では、「蟷」の読み方を分かりやすく説明していきます。

虫へんに當で「蟷」と書いて何と読むか

「蟷」の漢字は、音読みで「トウ」、訓読みでは単体で読まず、熟語で「蟷螂」(トウロウ)や(かまきり)と読まれます。

難読漢字であり、虫へんなので虫に関する読み方になります。

ちなみに「蟷」の右側の「當」は、「当」の旧字体で「當たる」(あたる)等と読まれるようです。

「蟷」の意味

「蟷」は単体で使われる事はほぼ無いようなので熟語の「蟷螂」の意味ですと、カマキリ科の昆虫を意味しています。

「蟷螂」は、獲物を捉える為、前脚が鎌形になっているので「鎌切」とも書くようで、こちらの方が読みがそのままで、読みやすく書きやすい熟語になります。

「蟷」の漢字の使われ方

・『蟷螂の斧』【とうろうのおの】
この表現は、古代中国の思想家、『荘子』の書物に書かれた故事成語で、小さく非力なカマキリが、自分の力の無さを知らずに目の前の大きな車輪に前脚を振りかざし立ち向かう様子を表し、不釣り合いな強敵にわきまえないで挑もうとする可笑しさを例えた表現となっています。

・『蟷螂生』【かまきりしょうず】
古代中国で、季節を表すのに七十二候が使われており、その中で6月の始めに位置する季節を表しています。

カマキリが生まれる頃の季節を表す言葉で、カマキリは農作物を害虫から守るのに役立っているそうです。

・『蟷螂山』【とうろうやま】
京都の夏に開催される祇園祭での、山車の名前の一つです。

南北朝時代、室町幕府の2代将軍に立ち向い負けた武士がいたそうで、彼の姿が「蟷螂の斧」の故事のようで、敵いそうにない相手に立ち向かう姿が勇ましいと偲ばれました。

「蟷螂山」は、山車の名前となり現在まで残っています。

まとめ

「蟷」はその一文字では読まれず、主に「蟷螂」(かまきり・とうろう)のみ使われています。

使われるレパートリーは少ないのですが、中国の故事「蟷螂の斧」を知っていると、祇園祭の山車の由来にも繋がっていて、日本でも昔だけでなく今も使われている例がある事を実感しました。

読み方
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