金へんに曼と書く「鏝」はどんな読み方が正しく何を意味する言葉なのでしょうか。
今回は、「鏝」の読み方と意味について解説します。
金へんに曼で「鏝」の読み方
「鏝」の読み方は音読みでは「マン」「バン」、訓読みでは「こて」です。
「鏝」の意味や解説
「鏝」とは、「壁面に壁土などを塗りつける時に用いる道具」を指す言葉です。
壁土や漆喰などで壁を作る職人のことを左官といいます。
左官が使う壁塗り専用の道具が「鏝」です。
材料を塗りつける平面の板と持ち手によって構成された壁塗り用の道具で平らな面に盛った材料を壁面に押し当てながら伸ばすように塗り広げていくことで平らな壁に仕上げます。
道具としては非常にシンプルな構造であり壁の仕上がり具合は作業する人の技量に左右されます。
作業している様子を見るととても簡単に使えそうに思えますが実際に作業してみると思い通りに壁を塗るのは非常に難しく、使いこなすには熟練の経験が要求される道具です。
先端が尖った五角形のものが一般的ですが長方形のものや細長いものなど使う材料や壁面の形状によって多くの種類が用意されています。
タイルやブロックの隙間を埋めるのに使う目地専用の「鏝」など特殊な用途に特化したものも存在します。
「鏝」の熟語での使い方や使われ方
・『鏝絵』【こてえ】
「鏝を使って描いた絵、もしくは鏝で絵を描く技術」を意味します。
壁に塗り付けた漆喰の上に「鏝」を使って浮き彫りのように描かれた絵を指す言葉です。
主に風景や人物などを描きますが高い技術が要求されることから現在この技術を習得している職人の数はごくわずかです。
・『鏝板』【こていた】
「鏝で壁を塗るときに材料となる壁土や漆喰を乗せておく板」のことです。
利き手に「鏝」を持ち反対の手には材料を載せた鏝板を持つのが一般的な左官の仕事姿です。
まとめ
「鏝」はひらがなやカタカナで表記することが多く漢字はほとんど見かけない難読漢字です。
表す意味は限定されているので正しい読み方と意味を知っておきましょう。