この記事では、「鯤」の読み方を分かりやすく説明していきます。
魚へんに昆で「鯤」の読み方
「鯤」という漢字は音読みで「コン」や「ゴン」と読み、訓読みでの用法はありません。
「鯤」の意味や解説
「鯤」には、「中国において、北方の海に棲む数千里の大きさを持つとも云われている想像上の大魚」という意味が含まれています。
「鯤」は魚の象形である「魚へん」に「昆」を組み合わせ、形声文字として成り立った漢字です。
「鯤」は古代中国思想である道家の文献で、荘子の著作である「荘子」にその記述が残っています。
「荘子」によれば、北の果ての海には「鯤」と呼ばれる、数千里にも及ぶような大きな体躯を持つ巨大魚が「鵬(ほう)」、もしくは「鳳(おおとり)」とも呼ばれる伝説の鳥に化けると書かれています。
「鵬/鳳」になった後は、天をも覆うような巨大な翼を広げ、吹き荒れる嵐とともに南の果ての海へと向かうそうです。
「鵬/鳳」は清時代の小説にも描写があり、熱帯地域の「モンスーン」を神話化、象徴化させたものと考えられています。
「鯤」の熟語での使い方や使われ方
・『鯤鵬』【こんほう】
「中国で伝えられる想像上の大魚鯤と大鳥の鵬」、転じて、「とてつもなく大きなものの例え」を意味する言葉です。
「鯤」の名前での使われ方
・『稲葉鯤』【いなば こん】
江戸時代後期から明治時代の書家です。
・『大鵬正鯤』【たいほうしょうこん】
中国清時代の僧侶です。
1721年に長崎の福済寺住持となった後、黄檗山萬福寺の法席を継いだ他、長崎派の画家としても活躍しました。
まとめ
「鯤」は音読みで「コン」や「ゴン」と読む漢字です。
そして、「鯤」には「中国において、北方の海に棲む数千里の大きさを持つとも云われている想像上の大魚」という意味が含まれています。