皆さんは「矗」という漢字を見た事はあるでしょうか。
普段使わない漢字なので、何と読むのか、想像が付きにくいかもしれません。
この記事では、「矗」の読み方を分かりやすく説明していきます。
直が3つで「矗」の読み方
「矗」は、音読みで「チク」「シュク」、訓読みで「なおい」と読まれ、「直」の読みに似ていますが、少し違うようです。
「矗」の意味や解説
「矗」の意味は、山や建物が高く建っているさま、物が直立して立っているさま、草や木が葉を沢山生やし緑一杯になっている様子を表した漢字です。
「直」が3つもあるので「まっすぐ」や「直立」等、「直」から導かれる意味合いを持つようです。
「矗」の使われ方
・『矗矗(矗々)』(ちくちく)
この熟語は、まっすぐに伸びるという意味を持ちます。
大正昭和初期の小説の中に見られ「矗々と天を摩す老いた杉の木」といった文章で出てきます。
ここでの「天を摩す」とは、天高く伸びているという意味です。
また、他の小説では「重々しい山が、夜空に矗々とそびえている」のような表現でも使われています。
・『矗石楼』(チョクソンヌ)
韓国の高麗時代の楼閣で、厳かで立派な建築物がそびえています。
現在は南江(ナムガン)地区の観光名所として有名で、毎年祭りで賑わうそうです。
昔の戦の際は、指揮本部として機能していました。
・『白瀬矗』(しらせのぶ)
こちらは人名で、日本で初めて南極を探検した人です。
まだ明治時代の事でした。
今も南極観測船の名前等に彼の行いを称えて名前が使われています。
まとめ
「矗」の漢字は、普段使わないかと思われますが、意味は「直」に似てまっすぐそびえ立つ事を表す漢字です。
菊池寛や国枝史郎等の大正昭和初期の小説等に使われている「矗矗」は、小説を読む機会があれば、覚えておいても良いかもしれません。