この記事では、「吽」の読み方を分かりやすく説明していきます。
口へんに牛で「吽」の読み方
「吽」という漢字は音読みで「ウン」や「オン」、「イン」、「ク」、「グ」、「コウ」、「ゴウ」と読み、訓読みでの用法はありません。
「吽」の意味や解説
「吽」には「(牛などが)鳴く、ほえる」、「仏教において、口を閉じて出す声」という意味が含まれています。
「吽」は口の象形である「口へん」に「牛」を組み合わせ、会意兼形声文字として成り立った漢字です。
現在、「吽」という漢字は「阿吽(あうん)」という言葉で見かけることがほとんどではないでしょうか?
「阿吽」とは、梵字における12字音のうちで、最初にある「阿」と最後にある「吽」のことを指した言葉です。
密教において、この「阿」と「吽」は万物の始まりと終わりの象徴として扱われ、菩提心(=悟りを求めようとする心)と涅槃(=煩悩の火を消し、智慧を完成させた悟りの境地)などに当てられています。
また、仏敵を追い払う守護神として寺門の左右に置かれる2体の「仁王」や魔除けの力を持つとされ、神社などに置かれる2頭の「狛犬」のことは「阿吽」とも呼ばれ、口を開いた方が「阿形(あぎょう)」、口を閉じた方が「吽形(うんぎょう)」です。
その他、「呼吸」や「吐く息と吸う息」、「相対や対比といった相対する2つのものに言う語」としての意味も含まれています。
「吽」の熟語での使い方や使われ方
・『阿吽の呼吸』【あうんのこきゅう】
「2人以上で1つの物事を行うときのお互いの微妙な気持ち、また、その気持ちがぴったり一致すること」を意味する言葉です。
まとめ
「吽」は音読みで「ウン」や「オン」、「イン」、「ク」、「グ」、「コウ」、「ゴウ」と読む漢字でした。
そして、「吽」には「(牛などが)鳴く、ほえる」、「仏教において、口を閉じて出す声」という意味が含まれています。