金へんに川と書く「釧」は何と読みどのような意味を持つのでしょうか。
今回は、「釧」の読み方と意味について解説します。
金へんに川で「釧」の読み方
「釧」の読み方は音読みでは「せん」、訓読みでは「くしろ」「うでわ」です。
「釧」の意味や解説
「釧」とは、「古代日本で使われていた腕にはめる装飾品の一種」を指す言葉です。
古墳時代の日本で使われていた装飾品の一種で石や金属などを加工して輪状にした腕にはめる装飾品を指します。
身を飾る装飾品として用いられる腕輪は縄文時代から貝殻などを用いて作られてきましたが特に古墳時代に使われていた腕輪のことを「釧」と呼んでいます。
現在と同じようにジュエリーや宝飾品としての使い方のほか、豊かな富を持つことをアピールする権力の象徴として使われていたと考えられている腕輪です。
時代前期には石を使ったものが多く後期になると技術が発達し金属を加工して作られたものが増えてきます。
材料として用いられる金属は銅がほとんどですが一部では金や銀など貴金属を使って作られたものが出土しています。
初期の物は素材をそのまま輪状に加工しただけのシンプルなデザインが多く時代が下るにつれ装飾を彫り込んだり飾り付けをはめ込んだりなど高度な技術を用いて作られたものも見られるなど、古墳時代の文化や加工技術を知る上で重要な遺物です。
「釧」の熟語での使い方や使われ方
・『石釧』【いしくしろ】
「石を材料にして作られた古墳時代の腕輪」のことです。
石といってもその辺りに落ちているようなありふれた石ではなく碧玉や緑色凝灰岩など美しい見た目をした宝石に近い種類の石を用いて作られています。
富の豊かさをアピールする力の象徴として使われていたと考えられています。
・『銅釧』【どうくしろ】
「古墳時代に使われていた銅製の腕輪」のことです。
4世紀後半から5世紀前半にかけて作られた装飾品の一種で側面に細かい刻線が彫刻されるなど凝った意匠が施されているのが特徴です。
まとめ
「釧」は現代ではほとんど使われていない言葉です。
古代の文化を学ぶときに登場する言葉なので正しい意味と読み方を知っておきましょう。