金へんに登と書く「鐙」は何と読みどのような意味を持つのでしょうか。
今回は、「鐙」の読み方と意味について解説します。
金へんに登で「鐙」の読み方
「鐙」の読み方は音読みでは「トウ」、訓読みでは「あぶみ」「たかつき」です。
「鐙」の意味や解説
「鐙」とは、「馬に装着して使う乗馬の時に足を乗せるための馬具」を指す言葉です。
馬にまたがって移動することを乗馬といいます。
乗馬の際は乗り心地や操作性向上のため専用の装備を馬に装着します。
乗馬のため馬に装着する装備のことを馬具といい、馬に乗った人が足を置くために使う鞍の両脇に吊るした踏み台にあたる馬具が「鐙」です。
馬具を何もつけない裸馬では足を置く場所がなく体を固定するためには両足で馬体を挟むように締めるしかありません。
「鐙」があることで足場が生まれ騎乗中でもしっかりと足で踏ん張り振り落とされないよう体を固定したり体の向きを変えたりなどさまざまな動作が可能になります。
武士の世界では騎乗中に目上の相手に出会った場合はすれ違う側の「鐙」から足を外すのが礼儀とされています。
そのことから生まれた相手に対して敵意がないと示し礼儀を尽くすさまを表す慣用句が「鐙をはずす」です。
「鐙」の熟語での使い方や使われ方
・『諸鐙』【もろあぶみ】
「左右両方の鐙」を意味します。
足を乗せるための道具である「鐙」は左右の1セットで使います。
「諸鐙」は左右揃った「鐙」を指す言葉で、左右どちらか片方だけの「鐙」を表す言葉は「方鐙」です。
乗馬の技術として左右の「鐙」で同時に馬の腹を打つことを表す意味もあります。
・『鐙靼』【みずお】
「鞍から鐙を吊るすための紐」のことです。
騎乗者の体重を支えられるよう強くて丈夫な革で作られます。
まとめ
「鐙」は乗馬の際には必須の道具です。
馬に乗らない人はまず使わない専門用語ですが馬に関わる人なら常識とされる言葉なので憶えておきましょう。