魚へんに票と書く「鰾」は何と読みどのような意味を持つのでしょうか。
今回は、「鰾」の読み方と意味について解説します。
魚へんに票で「鰾」の読み方
「鰾」の読み方は音読みでは「フエ」、訓読みでは「うきぶくろ」です。
「鰾」の意味や解説
「鰾」とは、「魚類の体内にある気体を充填する器官」を指す言葉です。
水の中で生活する魚類には陸上で生活する動物には見られない器官がいくつも存在します。
魚類の体内にある器官のうち陸上で生活する動物の肺のように空気を貯めておく器官を指す言葉が「鰾」です。
魚類が持つ空気を貯める器官のことを「うきぶくろ」といい「鰾」はうきぶくろを指します。
陸上に生息する動物の肺は呼吸のために使いますが「鰾」の役割は肺とは異なり水中でも身体が沈まないよう浮力を得るために使われる器官です。
魚類の体は水よりも比重が大きくそのままだとどんどん沈んでしまいます。
水中を泳いで活動するのに重要な体を浮かせる浮力を確保するために空気を取り込んで「鰾」を膨らませて体の比重を調節します。
浮上したい時には「鰾」を膨らませ潜航したい時にはしぼませることでヒレをかきわけて体力を消耗することなく水中での上下移動が可能です。
深海に住む魚を釣り上げると気圧の関係で「鰾」が急激に膨らみ口から飛び出してきます。
一般的には調理する時に廃棄されますが中国料理では一部の魚の「鰾」を高級食材として利用しています。
「鰾」の熟語での使い方や使われ方
・『鰾膠』【にべ】
「うきぶくろからとれる粘り気の強いゼラチン質」のことです。
接着剤の原料として使われネバネバしていることから粘り気や粘着質の比喩としても使われます。
粘るところが全くない素っ気なく愛想が見られない様子のことを「鰾膠もない」といいます。
まとめ
「鰾」はひらがなやカタカナで表記することが多く、ほとんどの人は読むのに苦労する難読漢字です。
この機会に正しい読み方と意味を知っておきましょう。