この記事では、「楡」の読み方を分かりやすく説明していきます。
木へんに兪で「楡」の読み方
「楡」という漢字は訓読みでは「にれ」と読み、音読みでは「ユ」と読みます。
「楡」の意味や解説
「楡」にはニレ科の植物である「にれ」という意味が含まれています。
「楡」は大地を覆う木の象形である「木へん」に「兪」を組み合わせ、形声文字として成り立った漢字です。
「楡(にれ)」はニレ科ニレ属に分類される植物の総称であり、日本では一般的に「ハルニレ(春楡)」のことを指します。
ヨーロッパにおいて「楡」はブドウと並べて良縁のシンボルとして扱われています。
古代ローマ時代のイタリアでは、ブドウの支柱として利用するために「楡」も一緒に栽培されていました。
成長した「楡」から出た萌芽は横向きに仕立てられ、ブドウのツルを絡ませます。
これを目にした同時代の詩人オウィディウスは感銘を受け「楡はブドウを愛している、ブドウも傷ついた楡を見捨てない」と詩を詠んだそうです。
「楡」の熟語での使い方や使われ方
・『楡柳』【ゆりゅう】
「楡と柳」を意味する言葉です。
・『桑楡』【そうゆ】
「クワとニレ」や「広く樹木のこと」、「夕日が樹木の枝にかかること」や「夕方」、「夕日」、「晩年」、「一生における終わりの時期」を意味する言葉です。
・『桑楡且に迫らんとす』【そうゆまさにせまらんとす】
「死期が迫っていること」を意味する言葉です。
・『枌楡』【ふんゆ】
「ニレの木」や「(漢王朝の高祖が故郷のニレの木を都へ移し、神として祀ったことに
因み)神聖な場所、神社、故郷」を意味する言葉です。
・『枌楡の居』【ふんゆのきょ】
「上皇の御所」や「仙洞御所」を意味する言葉です。
まとめ
「楡」は訓読みでは「にれ」と読み、音読みでは「ユ」と読む漢字でした。
そして、「楡」にはニレ科ニレ属に分類される植物である「にれ」という意味が含まれています。