王へんに皮と書く「玻」は何と読みどのような意味があるのでしょうか。
今回は、「玻」の読み方と意味について解説します。
王へんに皮で「玻」の読み方
「玻」の読み方は音読みの「ハ」のみで訓読みはありません。
「玻」の意味や解説
「玻」とは、「水晶」のことです。
仏教の教えを記した仏典が示す七つの宝である七宝の一つに数えられる宝石の水晶を指します。
水晶とは二酸化ケイ素が結晶化したもののうち無色透明なものを指す言葉で、成分としては不透明で濁った石英とほぼ同じですが無色透明なものは見た目が美しく貴重なことから古くから宝石として珍重されてきました。
二酸化ケイ素の結晶でも低温環境でゆっくりと固化したために原子配列が不規則になり不透明で非晶質のものがオパールです。
二酸化ケイ素を大量に含む溶岩質の岩石が急激に冷やされて生み出されるのがオブシディアンです。
本来の「玻」は透明の水晶を表す言葉でしたが、そこから転じて「水晶のように無色透明で美しいもの」という意味で使われるようになり無色透明の見た目を持つガラスを指す言葉として使われています。
土中から取れる天然ガラスのほか人工的に作られるガラスも「玻」に当たります。
「玻」の熟語での使い方や使われ方
・『玻璃』【はり】
「七宝の一つに数えられる宝石」を意味します。
古代中国やインドで珍重されていた水晶のことで濁りや不純物が少なく透明に近いほど高い価値が認められる宝石です。
日本でも現在の山梨県にあたる地域で古くから産出されてきた日本で採れる少ない宝石の一つです。
・『浄玻璃』【じょうはり】
「亡者を裁く閻魔が持つとされる生前の行いを映し出す鏡」のことです。
鏡に生前の行いを写して善悪の見定めにつかう閻魔の仕事道具です。
・『玻璃器』【はりき】
「ガラスで作られた器」を意味します。
食器や花瓶などガラス製の器の総称です。
まとめ
「玻」は日常ではあまり見ませんが熟語の形で現在も使われている言葉なので正しい意味と読み方を覚えておきましょう。