この記事では、「蔡」の読み方を分かりやすく説明していきます。
くさかんむりに祭で「蔡」の読み方
「蔡」という漢字は訓読みでは「あくた」や「くさむら」と読み、音読みでは「サイ」や「サツ」、「サチ」と読みます。
「蔡」の意味や解説
「蔡」には「草むら」や「草の乱れる様」、「あくた」、「ちり」、「中国周代の国名」という意味が含まれています。
「蔡」は並び生えた草の象形である「くさかんむり」に切った肉と右手、神に生贄を捧げる台の象形である「祭」を組み合わせ、形声文字として成り立った漢字です。
「あくた」とは、「ゴミ」や「クズ」、「廃物」、「腐敗して打ち捨てられているもの」、転じて、「不利益なもの」や「役に立たないもの」という意味を含める言葉であり、「芥」とも表記されます。
国としての「蔡(さい)」は紀元前1046年から紀元前447年の中国周王朝の時代に存在していた侯国のことを指します。
周王朝の武王が弟である蔡淑度を侯爵に封じたことで「蔡」が起こりますが、紀元前531年に楚から受けた侵攻がきっかけとなり滅亡しました。
「蔡」の名前での使われ方
・『蔡』【さい】
中国や台湾、朝鮮に見られる漢姓の1つであり、日本では東京都や兵庫県、大阪府、神奈川県などに多く見られる名字です。
・『蔡琰』【さいえん】
中国後漢末期から三国時代の詩人であり、博学で音律に長けた才女として伝えられています。
「蔡文姫」とも呼ばれており、遊牧民族である匈奴に拉致され、12年過ごした後に曹操の手引きで魏への帰国を果たしました。
・『蔡邕』【さいよう】
中国後漢末期の政治家、蔡棱の実父です。
まとめ
「蔡」は訓読みでは「あくた」や「くさむら」と読み、音読みでは「サイ」や「サツ」、「サチ」と読む漢字でした。
「蔡」には「草むら」、「あくた」、「中国周代の国名」などの意味が含まれており、主に人の姓に用いられている例が多いようです。