この記事では、「宿直」の読み方を分かりやすく説明していきます。
「宿直」の正しい読み方は「とのい」と「しゅくちょく」どちら
「宿直」を構成する漢字の「宿」は音読みが「 シュク」で、訓読みが「やど」です。
一方の「直」は音読みが「チョク」や「ジキ」で、訓読みが「ただちに」や「なおす」です。
従って、現在の読みからは「とのい」を「宿直」と表記するのは、当て字であろうこと、また漢字表記が先にあったなら、いわゆる熟字訓であることが推察されます。
一方の「しゅくちょく」は音読みを重ねた読み方です。
いずれが正しいのか、また「とのい」との読みがどうして生じたのか等は、後に説明します。
正しい読み方の結論
現在において生きた言葉としての「宿直」の読みは「しゅくちょく」が正しいと言えます。
しかし、歴史的には、かつて「とのい」と読まれたこともあり、歴史や古典を学ぶ上では、この読みも正しい読みだと言えます。
次項で、二つの読みの意味について、詳細を説明します。
「宿直」の意味
まず、かつて「宿直」が「とのい」と読まれていた由来とその意味について説明ます。
中国から来た職制律では、昼の警備を「宿」、夜の警備を「直」と記しており、この「直」を「とのい」と読ませていました。
それが後世において、夜の警備を「宿直」もしくは「殿居」と書いて「とのい」と読ませる様に変化したのです。
この「とのい」の意味は、「宮中や役所に泊まって守衛をすること、および天子や貴人の寝所に仕えること」を意味します。
一方、「しゅくちょく」と読む場合には、先の「とのい」の意味から転じて、「勤務先に交替で泊まり夜の警備にあたること」を意味します。
「宿直」の言葉の使い方や使われ方
・『かつて先生が交代で学校の宿直(しゅくちょく)を担っていた時代があった』
・『企業の守衛は、交代で宿直(しゅくちょく)をする必要があります』
・『現在でも天皇皇后の宮殿に泊まりで勤務する人を宿直(とのい)と表現するのでしょうか』
まとめ
「宿直」の読みは「しゅくちょく」が一般的で、正しいと言えます。
しかし、歴史的には「とのい」と読んでいた時期もあり、歴史や古典を学ぶ上では「とのい」も正しいと言えます。
両読みの意味には、少し違いがあるので注意が必要です。